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2014年09月09日

目が覚めて

翌日、夫と一緒に病院へでかけた。

まずは一人でICUに入り、母の様子を確認。



ベッドに横たわる母の口と鼻には太い管が入っていて、酸素マスクからシューシューと音がしていた。

そして、体中至るところからいろいろな管が出ていた。

「お母さん、来たよ」

と呼びかけると、目を開けた。

焦点が合わず、うつろだった。

「わかる?」

そう聞くと、うんうんとうなずいた。

言いたいことは手のひらに書いて知らせてくれると看護師さんから聞き、

「大丈夫?」

と聞いて手のひらを差し出すと、指で

「い」

「や」

「だ」

と伝えてきた。

その他にも字を書いたのだが、何を書いているかわからず困っていると看護師さんが50音のひらがなが並んだ文字盤を持ってきてくれた。

母は、自分の口に人差し指をあて、「シー」と目配せをして、文字盤を指で指していった。

「こ」

「ろ」

「さ」

「れ」

「る」

殺される!?

母は看護師さんが近くを通るたびに怯えるような素振りをみせていた。

まさか虐待?そんなことが頭をよぎった。

「そんなわけないよ。大丈夫だよ。みんなお母さんがよくなるようにがんばってくれとるだよ。」

そう言う私に、母は首を何度も横に振り、助けてと訴えてきた。

「な」

「ん」

「ち」

今日は何日かと尋ねられ、「2日だよ」と答えた。

待合室で待っている夫を部屋に入れてもいいか母に尋ねると、「いいよ」とうなずいたので夫を呼びに行った。

すると、次女と三女も待合室に来ていたので、母から伝えられた言葉を二人に伝えた。

看護師の三女から「大丈夫、頭が混乱しとるだよ。私からも大丈夫って伝えるでね。」と言われ少し安心した。

ICUには二人しか入れないので、妹たちにはもうしばらく待ってもらうことにし、夫と再度部屋に入った。


「お母さん、わかる?」

母がうんうん。ありがとうと言うように頭を下げた。

「次女と三女が待合室で待っとるで変わるでね」

夫とともに「お大事に」と言って部屋を出た。


妹たちが部屋に入り、15分程で出てきた。

次女は涙で目を真っ赤にしていた。


そこで、私が言った日にちが問題になったらしい・・・

私は2日と言ったのだが、本当は3日だった。

私の完全な勘違い。

それを母は「だまされてる」と思ったようで、文字盤で「N子(私の名前)は2日といったのに」と訴えてきたとのことだった。

妹たちはわけがわからず、とにかく「大丈夫だよ」と言って出てきた。


お母さん、ごめんなさい。。。

でも日にちが間違っていることがわかったり、私が言ったことをちゃんと覚えていたということで、頭はしっかりしていることがわかってよかった。


その日は「殺される」が頭から離れなかった。

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